地域デザイン No.6 特集 地域デザインのグローバル性とローカル性
地域デザイン学会は、グローバル時代における「地域」の可能性を、「コンテンツからコンテクストへ」という視点から学際的に研究する団体。本書は、同学会が年2回発行する研究論集。
今号の特集は「地域デザインのグローバル性とローカル性」。原田保(多摩大学大学院)ら研究者を中心に10本の論考と研究ノートを収録。地域デザインの理論に関する論考の他、日本・フィリピン・北欧における地域団体や企業の注目すべき取り組みをめぐる事例研究を紹介。また、福島第一原子力発電所事故被災地域の問題、地域医療や地域観光の問題をめぐる研究ノート、シンポジウムの記録等を掲載した充実の内容。
【目次】
『地域デザイン学会』6号の刊行にあたって
原田保
巻頭論文
「深表統合モザイクゾーン」の戦略性についての試論
―“深層”のローカル性と“表層”のグローバル性の統合
原田保
論文1R
地域デザインにおけるアクターの定位
―ガバナンス論からの接近
本田正美
論文2R
伝統地名を活用した公・共・私が連携するアクターズネットワークの役割
― 兵庫県小野市きすみの地区を事例として
大室健治 安江紘幸
論文3R
有機の島づくりに向けたアクターズネットワークの形成過程
―フィリピン・ネグロス島持続的農業・農村開発団体(NISARD)を中心に
下口 ニナ
論文4
地域デザインのアクターとしての企業の可能性に関する一考察
―グローバル性とローカル性を使い分けることで成長するイケアの事例を中心として
丸谷雄一郎
研究ノート1R
越境(脱領域)的に伸縮する地域性に関する考察
―福島第一原子力発電所事故被災地域における記述試行
山中知彦
研究ノート2
新型インフルエンザウイルスの攻撃への防御デザイン
―国境を越えた抗スケールフリーネットワークの構築戦略
萩原功
研究ノート3
地域における医療と介護の統合デザイン
―住民が参画する地域包括ケアシステムの構築戦略
吉澤隆治
研究ノート4
日本の健康食品にみるグローカル展開の可能性
照井敬子
研究ノート5
「森・大沼」=北海道・道南の“ネイチャーリゾート”
―コンテンツ統合による“ネイチャーリゾートブランド”の創造
原田保
第5回関東・東海地域部会研究会要旨
ニューツーリズムと地域活性化のコンテクスト転換
第1回農業文化フォーラム要旨
農山村における交流・連携と地域デザイン
第4回地域デザイン学会研究会講演要旨
地域活性化と農業ビジネス
―農業への期待と地域のブランド化
上原征彦